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無条件に信じるということ


本日は7月のニクの日(笑)あの大手術から8年が経ちました。
術後5年の日に始めたこのblogも4年目に入ります。

ラッキーセブンだったはずの7年目の日から、ずいぶんとシンドイ1年を過ごしました。
命を長らえた代償が、こんなに辛い毎日だとは夢にも思わなくて・・・。
婦人科ではなく泌尿器科への通院が、こんなに頻繁になるとはね。


そんな過酷なこの1年をを常に支えてくれたのが、主治医のS先生でした。
この1年だけではなく、私の主治医になってくれたときから、ずっと常にでした。




・・・とココまで書いて、ちょっと熱が出始めちゃったので非公開にして後で続きを
のはずが、そのまま送信してしまったようで失礼いたしました。
コメントしてくださった小鞠ちゃん、ありがとう!そして大変失礼しました。


無条件に信じるということ_c0127460_2353418.jpg




出産経験のない私にとって、婦人科は縁遠い場所でした。
まずは町医者にかかり、そこで紹介状を持たされて総合病院の婦人科へ。
紹介状のあて先は部長先生でしたが、実際に主治医となってくれたのがS先生でした。
優しく丁寧に説明してくれ、質問にも判り易く答えてくれました。
「この人なら任せても大丈夫かもしれない」それが私の幸運の始まりでした。

癌の告知を受けた時も、ずっと子宮筋腫だと思っていた私には寝耳に水のこと。
そんな時に「なんで私がって思うかもしれないけど、今はこれからのことを考えようね」
そう言ってくれたことは、大きな救いとなりました。S先生となら頑張れる!

それでも告知を受けてしばらくはビービー泣いてばかりで、それにも根気よく付き合って
くれたし、どんな些細な心配事にも前向きな答えを出してくれました。
手術前の治療期間も長かったけれど、こまめに病室にきて励ましてくれました。
嬉しかったのは「頑張ろうね!」と言ってくれたこと。
決して他人事のように「頑張ってね」とは言わず、一緒に闘おうという気持ちが伝わってきました。

同い年のS先生は、親友でもあり安心して背中を預けられる戦友でもあります。
先生、腕時計をしていないんです。手術が多いというのもあるんですけれど
患者さんと話してるときに、意識しなくても視線が時計の方にいってしまったら
「早く話を切り上げたがってる」と患者さんに思わせてしまうからなんだそうです。

手術後、抗がん剤治療が始まったころに「波瀾万丈の人生は楽しいよ」と言われて
ちょっとだけカチンときたんですけど(笑)今は波瀾万丈がすっごく楽しい!
入院時は朝食前くらいが朝の回診なんですが、お隣のベッドになったお初の患者さんに
「あの方はbritish-greenさんのお友達?」とよく聞かれました(笑)
医者と患者の会話っぽくなかったみたいで。まあ、間違ってはいないんだけどね(笑)

手術後の補助療法として、まずは毎月抗がん剤を投与します。
その5回も私はいろいろあって高熱が出たり、副作用が酷かったりで5カ月ではなく
8ヶ月くらいかかりました。後遺症で脚の神経がものすごく痛んで眠れないほどとか
他の後遺症もその当時の状態から、大幅に改善されることはないと聞かされて
ちょっとガッカリな時期のことでした。外来で大きなため息をついたときに

「でもさ、今までよく頑張ったよね。良く頑張ってきたよね」と。

嬉しかった!すごく嬉しかった!その時のことを思い出すと、今でも涙が止まらなくて
胸の奥の方がジーンと温かく、もっと頑張ろうという気持ちになります。

火曜日にお薬も残り少なくなったこともあり、ちょっと久しぶりにS先生のところへ。
何も言わなくてもちょっと前の内科の血液検査の結果をみて
「ヘモグロビン、またちょっと下がっちゃったね。造血剤しばらくやってみようか」
実は私も貧血治療を頼んでみようと思っていたところでした。

例えば私が10訊ねたいことがあったとして、4~5くらい話したところで20の答えが
返ってきたりします。10訊ねた答えを聞いて、更に10訊きたかった答えまでです。
今では私が不安に思っていることを見抜いて、訊いてもいないのに答えが返ってきます。

手術2年目の日には「長生き!」3年目には「3年生きられて良かった」と言ったS先生
手術から8年経って、こんなふうに言ってくれました。

「british-greenさんが生きていてくれるだけで嬉しい!」

うん、先生、頑張って生きるよ!
by british-green | 2010-07-29 23:09 | 日々の出来事